2013年10月1日火曜日
undo 1994年/日本映画/47分(24本目)
岩井俊二の1994年の作品。
若い頃の豊川悦司と山口智子が競演で、劇中はほとんどこの二人しか出てこないです。
脅迫的に縛ることに執着してしまう精神病の妻に翻弄される夫の話です。
まるで谷崎潤一郎の小説の世界を岩井俊二テイストにした様な映画です。
この「縛る」という行為の本当の意図がわからないとこの映画はただの変態的な意味のわからない映画になってしまうでしょう。
二人の愛の度合いと方向性がお互い一緒に住みながらも距離があるんです。
それはキスしたあとのアイスクリームを食べるシーンや
犬がほしかったのに亀をプレゼントされたり
仕事ばかりで日曜にデートもできない。
まぁそんなことで頭がおかしくなられたらたまったもんじゃないですけどね。
この微妙なすれ違い(?)から妻の様子が少しおかしくなりはじめる。
山口智子の演技がナチュラルに狂っていくので非常にリアルでゾッとするものがありました。
あとこの映画の尺(47分)もよかったです。
こんな内容で2時間やられたらさすがにキツイですよ。
一般受けはしないでしょうね。
この映画がヒットしてしまったら、「踊る大走査線」や「海猿」はあんなに客が入らなかったでしょうし
映画を観て考える事をしなくなった日本人には受け入れがたい映画なのは間違いないです。
5点(10点満点)
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